日中サービス支援型共同生活援助

日中サービス支援型グループホーム(平成30年4月1日制度改正)

主なポイント

【経緯】
・障害者の重度化・高齢化に対応できるグループホームの新たな類型として創設された。
【支援形態】
・常時介護を要する重度の障害者に対して、昼夜を通じた常時の支援体制を確保することを基本とする。
【対象者】
・重度化・高齢化のため日中活動サービス等を利用することができない常時介護を要する重度の障害者(日によって利用することができない障害者を含む。)
【手続】
・事業指定の申請時に、事前に地方公共団体が設置する協議会等(※)に対して運営方針や活動内容等を説明し、協議会等の評価を受け、その内容を書面で指定権者に提出(指定申請書に添付)することが必要。
・また、開業後も定期的に(年1回以上)、上記協議会等(※)による評価等を受けることが必要。

※ 障害者総合支援法89条の3第1項に規定する協議会(例:〇〇区地域自立支援協議会、〇〇市障がい者等地域生活支援協議会等)、または、その他の都道府県知事がこれに準ずるものとして特に認めるもの(都道府県または市町村職員、障害福祉サービス事業所、医療関係者、相談支援事業所等が参加して障害者の地域生活等の検討を行う会議等)

短期入所を必ず設置しなければならない(共同生活援助とは別に指定を取ることが必要。)。併設型または単独型の短期入所であることが必要で、空床型は不可
【定員】
・1事業所(以下1以上のユニットの集合)の定員は4人以上
・1ユニット(※)の入居定員は、2~10人
※ ユニットとは共同生活の単位であり、1建物に複数のユニットが存在することもあり得る。
・1居室の定員は、原則1人。ただし、夫婦で入居する場合等の例外あり。
※1建物の定員は、2~20人(新規建物か既存建物かによる定員の差異はなし。)。なお、都道府県知事が特に必要と認める場合は30人以下。

人員基準

包括型 日中サービス支援型
管理者 常勤1人以上 包括型と同じ
サービス管理責任者 非常勤1人以上 包括型と同じ
世話人

世話人:利用者
6:1以上配置

世話人:利用者
5:1以上配置

生活支援員 1人以上 必要は配置数の計算方法は、包括型と同じ
夜間支援従事者

配置は任意。配置した場合は、
夜間支援体制加算の算定が可

配置は必須。
そのため夜間支援体制加算の適用なし

備考

直接処遇職員は全員非常勤で可
また、日中の配置は不要。

直接処遇職員のうち1人以上は常勤
また、昼夜を通じて配置が必要

設備基準

包括型と同じ

基本報酬

日中を当該共同生活住居で過ごす場合

障害支援区分

共同生活援助サービス費Ⅰ
(5:1)

共同生活援助サービス費Ⅳ
(体験利用)

区分6 997単位 1168単位
区分5 860単位 1028単位
区分4 771単位 938単位
区分3 524単位 672単位

日中を当該共同生活住居以外で過ごす場合

障害支援区分 5:1の場合 体験利用の場合
区分6 765単位 929単位
区分5 627単位 787単位
区分4 539単位 695単位
区分3 407単位 546単位
区分2 270単位 408単位
区分1以下 253単位 389単位

加算

人員配置体制加算

配置数 区分 単位数
基準人員に加え世話人または生活支援員を7.5:1以上配置 区分4以上 138
区分3 121
基準人員に加え世話人または生活支援員を20:1以上配置 区分4以上 53
区分3 45

夜勤職員加配加算

要件:通常必要な夜間支援従事者に加え、1人以上の夜勤職員を加配した場合、支援を行った日について支援を受けた全員について算定
取得単位数:149単位/日
※  日中サービス支援型のみ算定可能な加算。

その他

・福祉専門職員等配置加算、福祉・介護職員等処遇改善加算は算定可能。
夜間支援体制加算は算定できない。
・日中支援加算についてⅠは算定できるが、Ⅱは算定できない。

報酬における包括型との比較

ケース1:区分6利用者4人、利用者:世話人を4:1、夜勤1名体制の場合

包括型 日中支援型
基本部分 600単位(6:1) 997単位(5:1)
人員配置体制加算 Ⅰ:83単位(12:1) Ⅵ:53単位(20:1)
夜間支援体制加算Ⅰ

336単位
(夜間支援対象者4人)

適用なし
合計(1人/日) 1019単位 1050単位

ケース2:区分6利用者7人、利用者:世話人を4:1、夜勤1名体制の場合

包括型 日中支援型
基本部分 600単位 997単位
人員配置体制加算 Ⅰ:83単位 Ⅵ:53単位
夜間支援体制加算Ⅰ

192単位
(夜間支援対象者7人)

適用なし
合計(1人/日) 875単位 1050単位

ケース3:ケース2の場合で夜勤を2名体制にした場合

包括型 日中支援型
基本部分 600単位 997単位
人員配置体制加算 Ⅰ:83単位(Ⅰ) 53単位(Ⅵ)
夜間支援体制加算Ⅰ

336単位
(夜間支援対象者4人。2人体制)

適用なし
夜間職員加配加算 適用なし 149単位
合計(1人/日) 1019単位 1199単位

ケース4:区分6利用者10人、利用者:世話人を4:1、夜勤1名体制の場合

包括型 日中支援型
基本部分 600単位 997単位
大規模住居減算5% -30単位 なし
人員配置体制加算 Ⅰ:83単位(Ⅰ) 53単位(Ⅵ)
夜間支援体制加算Ⅰ

135単位
(夜間支援対象者10人)

適用なし
夜間職員加配加算 適用なし なし
合計(1人/日) 788単位 1050単位

ケース5:ケース4の場合で夜勤を2名体制にした場合

包括型 日中支援型
基本部分 600単位 997単位
大規模住居減算5% -30単位 適用なし
人員配置体制加算 Ⅰ:83単位(Ⅰ) 53単位(Ⅵ)
夜間支援体制加算Ⅰ

269単位
(夜間支援対象者5人)

適用なし
夜間職員加配加算 適用なし 149単位
合計(1人/日) 922単位 1199単位

他にも、福祉専門職員配置加算、処遇改善加算、看護師配置加算、重度障害者支援加算等を加算されたものが利用者1人1日あたりの報酬になる。

【総評】
 包括型も日中支援型も小規模で事業を運営する場合、報酬に大きな差はありません。
 しかし、日中支援型は24時間の職員配置が必要であり、協議会等の評価を受ける必要があることから負担が大きいため、小規模であれば包括型の方が運営しやすいといえます。
 しかし、包括型の場合は利用者が増えると夜間支援体制加算の単価が減少するため報酬が減っていきますが、日中支援型は利用者が増えても報酬は減少しないです。
 また、上のシミュレーションには含まれていませんが、日中支援型は利用者と世話人の配置を3:1にすることも可能であり、この場合、包括型との報酬の差がさらに広がります。
 例1:利用者区分6、世話人3:1、夜勤1人体制の場合、基本997単位+人員配置体制加算Ⅴ138単位=1135単位
 例2:利用者区分6、世話人3:1、夜勤2人体制の場合、基本997単位+人員配置体制加算Ⅴ138単位+149単位=1284単位